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【コラム】相続に関する素朴な疑問と誤解

今回は皆様からよく問い合わせのある素朴な問題についてお答えいたします。

死亡後半年ぐらいすると特定の方に「相続税の申告等についてのご案内」や「相続税申告のお願い」といった文書が送られてくることがあります。相続人の皆さんの疑問です。「なぜ死亡したことがわかるの?どうしてお尋ねや申告書が郵送されてくるの?」

⇒死亡届を受理した市町村長はその翌月までに死亡した人の住所・氏名等を税務署長宛に通知することになっています。通知を受けた税務署では過去の申告状況や固定資産税の名寄せ台帳を見て、相続税がかかりそうな人に対してこのような書類を送ってくるのです。相続税の申告書を提出するのは最新のデータでは全体の約8.8%です。

 

「死亡したことが金融機関に知られてしまうと預貯金が拘束されて自由に引き出すことができなくなるって本当ですか?」

⇒本当です。たとえ奥様が引き出しに行かれても相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・相続届等の提出がない限り、解約や引出しを認めてくれることはありません。これは一部の相続人の言いなりになって解約を認めた場合、その後相続争いで裁判等になったとき、争いの相手方から銀行の不備を突かれた場合に逃げ切れないからなのです。ただし2018年9月以降は「預金額の1/3に法定相続分を掛けた額」までは引出しができるようになっています。これを「仮払い制度」と言います。

 

では、「死亡する前に解約・引出しをしてもかまわないのですか?」

⇒かまいません。ただし、引き出した金額は相続税申告の際は手元現金として申告に含めます。財産を隠すわけではありません。葬儀費用や借入金返済等当座の支出を賄うためには積極的に行うべきです。また200万円以上の引出しには本人確認が必要です。

 

「死亡した人の預金でしか葬儀費用等を支払えない場合はどうしたらよいのでしょうか?」

⇒金融機関にその旨を申し出て必要書類を揃えれば死亡した人の預金の一部を解約してその支払に当てることは認められていますのでご安心ください。

 

執筆:所長税理士 田中 美光

2022年11月09日コラム
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